BOOK REVIEW part2 | 東進ハイスクール青葉台校|神奈川県

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2015年 3月 29日 BOOK REVIEW part2

おはようございます、こんにちは、こんばんは、どうも出浦です。

もう3月も終わりにさしかかり、時の流れは早いもので僕も大学3年生になってしまいます。

光陰矢の如しとは言いますが、年々身にしみて実感している次第です。

ちょうどこの文章を書いている前日に大学の成績が出たのですが、なんとか教職課程が正式履修に入ることができました。

最近は、大学院への進学を考えているので残る学生生活は4年ということになるのですが、国語の教員になるための勉強を全力で取り組んでいきたいと思っています。

 

さて、閑話休題して

本の紹介ということで、何を紹介しようか迷ってしまうのですが、普通の本を紹介しても面白くないので、大学の授業で取り上げた小説にしたいと思います。

『雨月物語』 作:上田秋成

この本は受験生の皆さんなら文学史で学んだことがあるかもしれませんね。

『雨月物語』は上田秋成によって江戸時代後期に著された読本(よみほん)というジャンルの作品です。

内容は、日本と中国の古典作品から脱化した怪異小説9篇から成ります。

当然怪異小説なので、幽霊や妖怪の話がメインになります。

ここで一つ話を取り上げて紹介したいと思います。

「浅茅が宿」

これは女の人の執念とも呼べる愛の深さを描いたお話です。

あらすじはこんな感じです。

時は戦国時代。勝四郎というダメ男とめっちゃ美人の奥さん、宮木が暮らしています。

このダメ男勝四郎がほんとダメなやつで、働くのが嫌といって、どんどん家は傾いていきます。

そうしていきなり家の財産を絹にかえて商人になるといって京へ上ります。(ちなみに住まいは今の千葉県です。)

秋には帰ってくるから、とか言っておきながら約束の秋になっても勝四郎は帰ってきません。

そのうち関東では享徳の乱が起こり、もう乱れ乱れまくります。そのせいで宮木は色んなやつに言い寄られるのですが、勝四郎を待つので全て断ります。(ほんといい嫁です。}

一方勝四郎は、京で絹を売っていると関東が乱れていることをきいて故郷に戻ろうとするのですが、関所で通行止めにあい、この先は人の通行を許さない状況だという話を聞きます。

するとこの男はもう宮木が死んでしまったと思い込み、近江へと向かいます。(今で言う滋賀県あたりですね。}

そこで病にかかり、なんやかんやあって7年もの歳月が経過してしまうのです。

さすがの勝四郎も宮木のことを想い、故郷に帰ることを決意して十日かけて我が家にたどり着きます。

するとなんと家から灯りが漏れているではないですか!

もしやと思ってそれらしく咳をしたら、中からしわがれているけれど確かに宮木の声がするのです。

別人のように変わり果ててしまった宮木ですが、勝四郎との再会で泣きだしてしまいます。

そうして、2人は待っている間のつらさなどと語り合いながらともに眠りました。

しかし、次の朝起きてみると勝四郎は廃墟で眠っていることに気づくのです。隣にいたはずの宮木もいない。

やはり妻は死んでいたのだとここで実感して、勝四郎は伏して大きく泣くのです。

後で事情を知っている人に話をきけば、宮木は約束の秋を過ぎて次の年の八月十日に亡くなっていたそうです。

死してなお、地縛霊として夫の帰りを待ち続ける当時の女性の愛のカタチを描いた作品です。

 

あらすじを短くしようと思ったのに思いの外長くなってしまい、反省しています。。。

江戸時代のこういった読本だったり、黄表紙洒落本滑稽本といった当時の規制対象だった大衆文学というのは、江戸を生きた庶民の息遣いのようなものを感じることができます。

現に、このような作品を読んで娯楽としていた人々がいたわけですから。

時代を生きる人は同じ。何を面白いと思うかも変わらない。

そういうことを時代を超えて伝えてくれるのが、文学なのではないかと思うのです。

 

大学で勉強できることは千差万別。文学部では日々こういうことを考えて過ごしています。

頭おかしいと思うか、面白いと思うかも十人十色

これを機に少しでも文学の面白さを知っていただければ幸いです。